Mirage Soloでのブラウザ起動とかその辺のTips

スタンドアロン型のVRヘッドマウントディスプレイとして、Oculus GoとMirage Soloが相次いで発売されましたね。
今の所、Oculus Goは「・3DoFに止まるがお求め安い ・アプリがMirage Solo(Daydream)より充実している ・ブラウザがいい感じ ・初心者向き」、Mirage Soloは「・6DoFいい感じだけどちょっと高い ・Daydream対応アプリ少ない ・ブラウザが標準アプリにはない ・デベロッパー向き」という評価でしょうか。

私はDaydream対応スマホとDaydream Viewの組み合わせ(3DoF)は既に所持、PCのハイエンドVRは未所持のため、6DoFが体験したかったのでMirage Soloを購入しました。
事前のレビュー記事等を読んで気になっていたブラウザ周りのことや、Bluetooth機器との接続について等を自分でも確認したのでまとめておきます。

ブラウザについて

結論から言うと、現時点でMirage Soloから簡単にブラウザを立ち上げるには、Chromeの開発版(Chrome Dev)をGoogle Playからインストールするのが簡単です。(Google Playからのアプリインストールについては後述します。)
Chrome Devは標準でDaydreamライブラリに追加されるため、Daydreamホームから起動することが可能です。
またChrome Devでは、chrome://flags から設定できる WebVR を有効にすると、WebVRに対応したページでVRコンテンツをシームレスに体験することができます。

もちろんChrome Devは開発版、その中でも chrome://flags はさらに実験的な実装のため、予期せぬ不具合が発生する恐れがあります。
私の場合、使用2日目でChrome Devのホーム画面以外のページが真っ暗になって何も見えなくなるという現象に遭遇しました。端末の再起動、キャッシュのクリア、アプリの削除と再インストール等を試しても回復せず「いきなり終わった」と思ったのですが、何回かの端末再起動でいつの間にか再びページが見れるようになっていました。
Chrome Devを使う場合、不具合は起こる前提での使用になります。

「開発版を使うのはちょっと…」という場合、通常のAndroidアプリとしてのChromeは実はMirage Soloにインストールされており、ちょっと面倒臭い手順を踏めば安定版のChromeを起動することができます。→手順はコチラ
ただし、Chrome Devに比べてウィンドウ表示がVR向けに最適化されていない、WebVRフラグを立ててもVRコンテンツが表示されない等の違いがあります。

余談

実は安定版のChromeバージョン66から、 chrome://flags で設定できるフラグに「Chrome icon in Daydream Home」というフラグが追加されており、これを有効にすると、通常のAndroid上のDaydreamアプリ(Daydream Viewで見るやつ)のホームにはChromeアイコンが表示されます。
Mirage Soloでもこちらのフラグを有効にすればホーム画面から通常のChromeを起動できるようになると目論んでいたのですが、Mirage Soloではフラグを有効にしても何にもなりませんでした。通常のAndroidアプリのDaydreamと、Mirage Soloで動いているDaydreamは微妙に異なるということでしょうか?

AndroidアプリのDaydreamホームに追加したChromeアイコンから起動した場合、Chromeの表示はMirage SoloでChrome Devを表示した時と同じWindow表示になり、WebVRアプリも表示することができました。VR表示に関しては、安定版と開発版の違いではなく、Daydreamホームから起動したかどうかで挙動が変わる??

アプリのインストールについて

Mirage Soloへのアプリのインストールですが、Daydream上のPlayストアは正直使いづらいので、PCブラウザのGoogle Playからのインストールがおすすめです。
Androidをお使いの方ならおなじみの機能だと思いますが、Mirage SoloにサインインしたGoogleアカウントと、PCブラウザのGoogle PlayにログインしたGoogleアカウントが同じであれば、PCブラウザのGoogle Playで検索したアプリをMirage Soloにリモートインストールすることが可能です。
Daydream対応アプリだけではなく、通常のAndroidアプリも対応アプリであればインストールすることができます。
この際のインストール対象の端末名ですが、私の環境では「Mirage Solo」ではなく、「Lenovo VR-○○」みたいな端末名でした。

Mirage Soloにインストール可能かどうかの基準はちょっとよく分かりません。私が確認したところ、ウェブブラウザでいうと、OperaはインストールできるがFirefoxはインストール不可、でもなぜかプライバシー保護版のFirefox Focusはインストール可能でした。ゲームアプリでいうと、デレステ、ミリシタ、FGOはインストール可、グラブルはインストール不可でした。
動画アプリではAbemaTV VRは標準でDaydream対応、通常のAbemaTVもインストールできましたがニコニコ動画はインストール不可でした。またDAZNはインストールできたのですが、私の環境では動画を再生すると画面が全面グリーンになり表示できませんでした。(音声は再生されていた)
その他、私は確認できていませんが、Twitterをインストールして、Mirage Solo内から投稿した人もいるようです。

通常のAndroidアプリの起動について

Daydream対応アプリであればホーム画面のライブラリに追加されるのですが、通常のAndroidアプリは設定画面経由でPlayストアを立ち上げてから起動するという手順を踏む必要があります。

リモコンのDaydreamボタンを押して、表示された画面から歯車マークをクリック。→

「すべての設定」をクリック。→

「アプリと通知」をクリック。→

「○○個のアプリをすべて表示をクリック。→

インストール済みのアプリ一覧が表示されるので起動したいアプリをクリック。→

アプリ情報の下の方にある「アプリの詳細」をクリック。→

Play Storeアプリが開くのでそこから「開く」をクリック。→

AndroidアプリがVR空間に表示されます。

Bluetooth機器との接続について

ブラウザ周り以外に、発売前から気になっていたけどよく分からなかったこととして、「Bluetooth機器との接続はできるのか?」という疑問がありました。特に、スピーカーを内蔵しているOculus Goに比べて、イヤホンジャックしかないMirage Soloでは無線スピーカーに是非とも接続したいところです。
しかし、現時点では、Daydreamリモコン以外のBluetooth機器と接続することはできないようです。(※開発コマンドを叩けば接続可能なのですが、通常ユースでは「できない」とするのが妥当でしょう。)

注意書き

本記事の内容はMirage Solo発売直後の2018年5月14日に執筆されたものです。今後のOS・ファームウェアのバージョンアップにより、本記事の内容が実状にそぐわなくなることが十分にありえます。ご承知おきください。
まず、Google Chromeについては今後のバージョンアップで普通にDaydreamアプリとして追加されるかと思います。(→参考記事
通常のAndroidアプリのインストール・起動については、現状がDaydream陣営が意図した状態なのかよく分からないので、今後もっと楽に起動できるようになる可能性もあれば、インストールも起動もできなくなる可能性もあると思っています。
Bluetooth機器との接続は是非とも実現してほしいところです。

また、本記事ではあえて触れていませんが、Mirage Soloは今の所開発寄りの方が多く手を出している印象があり、検索すると開発者モードでごにょごにょするとか、adbコマンドでごにょごにょするといった情報がヒットしがちです。それらの情報を読んで実行に移せる人はある程度知識がある人だとは思いますが、まだまだ発展途上の分野であり、情報の取捨選択は慎重に行いましょう。(←本記事の内容も私の環境ではたまたまそうだったというだけで、全ての人に当てはまるとは限りません。)

参考文献

  • 発売前の情報として、以下の記事はChromeがインストールされていること、通常のAndroidアプリのインストールと起動に関して大いに参考になりました。
    VR空間を歩き回れるスタンドアロンのHMD「Lenovo Mirage Solo with Daydream」実機レビュー
    ※上の注意書きにも書きましたが、上記記事ではスクリーンショットの撮り方としてデベロッパーモードの説明が掲載されています。デベロッパーモードに触れる際は内容を理解の上で慎重に行いましょう。
  • 自分の動作確認の裏付けや、より最適化された手順の確認では、Twitterの「Mirage Solo」検索結果でのつぶやきを参考にさせていただきました。
    Mirage Soloについてつぶやかれている方はやはり、Unityなどで自前アプリを動かすようなバリバリ開発やってる方が多い印象です。

最後に

Chromeが起動するということは、ブラウザアプリである「アイドルマスター シャイニーカラーズ」をVR空間でプレイできるということ!むんっ

(シャニマスはChrome Devだと反応しないボタンがあったので、安定版のChromeの方がよさそうです。)

この記事を書いた人

さっさん
さっさん
ドラプロWebチームのマークアップエンジニアです。 カワイイもの好き
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